(編集途中です。自分で意識しないと忘れることを整理するメモ代わりです。)
村人で勝利するために重要な事は説得のみ
その他は全て説得を成功させるための要素である。
という狂った思想により極論が書かれたページです。
推理方法を確立している人向けに書いておりますのでご了承ください。
以下、説得する人を「自分」、それを読む人を「相手」と表現しています。



「説得」の定義

説得とは、相手の論や説の誤りを論じて攻撃することではありません。
相手がメッセージを受け取った後に、態度を変容してもらうことを目的としています。その為には、相手の推理をできる限り理解し、「なぜそう思ったのか」を一緒に考える必要があります。

不特定多数に自分の価値観や推理を主張

ある程度自分の価値観や推理を理解してもらえている方が説得が成功しやすいです。ただし、不特定多数に全てを理解してもらう必要はありませんので、伝える情報は絞った方が効率的です。

また、自分の主張が理解されないのは、相手の読解力が低いからではありません。自分の出力と相手の入力の噛み合わせの問題です。よく使われている表現では相性問題ですね。

相性の良し悪しに関わらずに主張を理解してもらう必要があるので、その方法論を書いていきます。

結論・事実・根拠の順番で書く

「時系列に沿った文章」と「結論・事実・根拠の順番で書いた文章」を比較して、読み手の理解のしやすさを解説します。

時系列に沿った文章
Aは1日目には気楽なことが白要素だと言っていた。
そして、3日目には気楽なことが黒要素だと言っている。
同じ要素なのに白黒が変化するのは、推理に一貫性がない狼だからではないか。
私はAが狼だと思う。

これでは書き手に興味のある人以外読んでもらえない可能性があります。内容を理解するには視点トレースが必要になるからですね。

結論・事実・根拠の順番で書いた文章
私はAを狼だと考えている。
Aは1日目には気楽なことは白要素だと言っていたのに、3日目には気楽にしているのが黒要素だと言っている。
同じ要素なのに白黒が変化するのは、推理に一貫性がない狼だからだと思う。

これだと書き手に興味がなくても、Aの色に興味がある人に主張が伝わりやすいです。

できるだけ多くの人に理解してもらうには

異なる価値観を持った人に理解してもらうには、客観性と論理性が必要です。逆に言うと、主観的で情緒的な文章では伝わる相手がかなり制限されてしまいます。

主観的で情緒的な文章
Aは絶対に狼だ。
AはBには優しい癖に、私には暴言を吐きながら吊ると脅している。
Bも私と推理が似ているねって言ってくれてるのに。
私がAに質問しても全然答えようとしないし。
スケープゴートにしようと企んでいるようでとても腹が立つ。

これでは書き手を白だと考えている人や、同じ経験をした人のみにしか理解してもらえません。

客観的で論理的な文章
私はAを狼だと考えている。
私とBは推理の過程や結論はほとんど同じで、Bもそれには同意している。
しかし、AはBを白目で見ており、私を黒目で見ている。 その差はどこにあるのかと質問したが、なんの回答もなかった。
同じことを言っているのに、説明もなく対象によって白黒を変えるのは、A村人仮定で違和感がある。

この書き方だと「同じことを言っているのに、説明もなく対象によって白黒を変えるのは、A村人仮定で違和感がない」と考える人以外には伝わります。こちらの方が、理解してくれる人が多くなりますね。

意見の異なる特定の相手に向けた説得

さて、ここからが本題です。
自分が狼だと思っている人が、誰かに白置きされていて吊れないとき。自分が白だと思っている人が、誰かに吊られそうになっているのを庇いたいとき。
そういった、意見の異なる特定の相手へ向けた説得方法を書いていきます。

相手の価値観や立場を理解する

推理方法・白黒要素の取り方・情緒等。
自分の推理を披露するのではなく、相手の白視を解消する、黒視を解消するのを意識することが必要です。

相手が灰であれば、推理の過程で価値観をある程度理解しているはずですので、その情報を使って説得しましょう。

相手が確霊または確白の場合は、発言をよく読んで理解するか、わからないなら本人に聞いてしまうのがいいと思います。

また、価値観が同じであっても、相手の置かれた立場によって判断は変わる可能性があります(役職の違いなど)。自分からどう見えるかではなく、相手が自認していることを読み取りましょう。

自分がどう理解されているのかを認識する

相手が自分をどう見ているかによって、説得難易度が変わります。

相手が自分を白く見ている場合、説得は通りやすくなります。ただし
(1)不特定多数に自分の価値観や推理を主張
の段階で客観性がないと思われている場合は難しくなるでしょう。(1)で論理性と客観性を意識するのはこの為です。

相手が自分を黒く見ている場合、説得は非常に難しいです。しかし、「自分が狼であっても不利になる説得」や「自分が狼であっても利益にならない説得」なら通るチャンスがあります。狼の合理性で動いているのではない、と伝えておきましょう。

黒視されている相手に、自分が狼時に利益になる説得をするのは最高難易度ですが、その状態をわかっていると先に伝えた方が成功率は多少は上がるでしょう。


説得失敗の実例

G1869村の2日目

アルビン(私)はニコラスとパメラを白視しています。
ニコラスがパメラを黒視しており、アルビンがその黒視を解消しようと説得している場面です。灰吊▼娘を阻止しようと動いていますが、ニコラスの娘黒視は解消できませんでした。
配役は商村・旅狩・娘狼。なので、ニコラスの推理が正解していて村としては全く問題ありませんでしたが、アルビンの典型的説得失敗例なので説明します。

2日目365. 旅人 ニコラス
灰吊なら【▼娘】ついで、▼娘にならないなら【●娘】希望。
理由は、今日になっても議論を発散させる思考。発散と言うか収縮していかず疑い巻きをしている思考と言う方がより正確か(娘>>335>>336)。と、昨日から変化しない思考より。
2日目383. 行商人 アルビン
娘>>336「妙狼と考えてる人は誰が相方と見ているんだろうか」は娘村視点では自然ですよ。他人視点では妙娘はあるけど娘村視点ではありえません。▼老を出しそう(▼妙しなさそう)な灰って客観的に見ても娘商くらいですから、妙狼仮定の相方はいない=妙非狼主張になるのでは?娘の妙真視は>>95から継続していますし。

この時のアルビンの認識は

  • ニコラスはアルビンを白目で見ている→正解
  • ニコラスは村人である→不正解。1日目の非狩ブラフに騙されていた。

致命的なのは旅の娘黒視の根本的な原因が理解できていないことです。「2日目に至っても娘の推理が収束していかないことが黒い(非村)」と説明があるのに、「娘村であっても妙非狼主張は自然」と別の要素を提示してしまっています。
ここで証明すべきなのは「娘村は推理が収束している」「推理が収束しないのは黒要素ではない」「娘村でも推理が収束しない理由があるのではないか」のどれかですね。

ニコラスの立場も価値観も把握できていなかったことが、説得失敗の原因だと思います。

説得成功の実例

G1534村の3日目から5日目

ヨアヒム(私)はカタリナとパメラを白視しています。
カタリナとパメラがお互いに黒視しており、カタリナが吊られそうになっていて、ヨアヒムがパメラの黒視解消しようと説得している場面です。
配役は青村・羊村・娘村。

3日目595. 村娘 パメラ
私の中で怪しさある人の発言は追って見てるのね。んで、羊さんについて気になったのがまず「よあひむせっかちさんね」「とーますもせっかちさんね」って辺りで、そこら辺落ち着きを感じたのと羊さんと二人のどちらとの繋がりも感じられなかった
3日目596. 村娘 パメラ
逆に羊さんのでぃたさんに対する警戒心があまり感じられない。希望を委任したりって村利に動く人がそんな軽率な行動するのかなーと。初日の投票も●修→●農に変更、んで理由が軽いなーって思った。全体的に投票関連の扱いが雑な感じして、なんでだろうって。
4日目797. 青年 ヨアヒム
昨日聞いた返答>>595>>596から、娘の中の羊村像はかなり慎重に動く人。それにしては投票理由が軽すぎる(=非村要素)からの黒視ってことだろう。娘>>708上段とかもその思考としては繋がってるなと。でも羊が慎重に動く村だと仮定すると、しょっぱなから縄数把握ミスするかというのが疑問で、その前提条件が間違っているのではないかと思う。
5日目907. 村娘 パメラ
昨日ヨアさんに言われてたの見たんだけど縄把握ミスって確かに「慎重に動く」っていう羊さんの人物像に反してるね。
んー…前提条件が間違ってるのかな。どこから羊さん疑いが始まったかって多分委任投票の前かあとらへん。他の人について正直あんまり情報も印象もなかった状況での黒仮定。
前提が違ってたら}羊さん白で完全に私があれこれこじつけてるって可能性もある。

このときのヨアヒムの認識は

  • パメラは羊青2狼を疑っていない→正解。羊単体黒考察
  • パメラは村人である→正解

パメラのカタリナ黒視理由「かなり慎重に動く羊村にしては投票理由が軽すぎる(非村)」の「かなり慎重に動く羊村」という認識を疑問視しています。パメラが真摯に話を聞いてくれる人だったこともあり、黒視解消できました。


認知について

ここから先は、このページの主旨である「説得方法」とはかなり逸れますので、ご了承ください。人間の全てを理解することは不可能ですが、自分と相手をできるだけ認知することは説得に役立つかなあと思います。
というか、私がまとめときたいと思った御託を並べてるだけです。

意思決定の仕組みと動機づけ

動機づけとは、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能です。村人が何か行動を起こすとき、そこには必ず動機づけが伴います。

達成動機づけ
達成動機づけには成功願望と失敗恐怖の二つがあり、どちらも村人によく見られます。村人はどちらか一方だけ持っている訳ではなく、個人の性格や置かれた状況によって強く出る面が変わるという印象です。
成功願望:偽占い師を決め打って吊りたい。
失敗恐怖:真だと怖いから吊りたくない。
内発的動機づけ
好奇心や関心によってもたらされる動機づけであり、損得に依存しない行動です。行動そのものが目的であり、その結果どうなるかは重視されません。村人によく見られますが、偽装は容易なので注意が必要です。
例:よくわからない作戦だけど、楽しそうだしやりたい。
外発的動機づけ
義務、賞罰、強制などによってもたらされる、目的を達成するため動機づけ。村人にはあまり見られません。傾向としては、白ログで発言しても自身の利益につながらない狼に多い。おそらく、ゲームに参加している時点で意欲的であるはずなので、村人には義務的な動機づけがあまり見られないのだと思われます。

ヒューリスティクス推理法(直感)とアルゴリズム推理法(論理)と近似アルゴリズム推理法 (複合)

心理学用語から勝手に定義しました。ヒューリスティクス推理法(直感)とアルゴリズム推理法(論理)と近似アルゴリズム推理法 (複合)について説明します。

ヒューリスティクス推理法
経験則や感覚を頼りに、特定の手続きを踏まずに行われる推理方法。楽に速く結論を導き出せるが、精度は保証されません。判断結果に一定の偏り(バイアス)を含んでいることが多いのも特徴です。よくある表現ではパッションですね。
村人が出した結論の理由を自身で説明できない場合は、この推理法が使われています。
アルゴリズム推理法
客観的事実を一つづつ積み重ねていき、正解にたどり着く推理方法。論理的に結論を導き出す為、精度は高いですが非常に時間がかかります。
村人が出した結論の理由を自身で説明できる場合、この推理法が使われています。
近似アルゴリズム推理法
基本的には経験則や感覚を頼りに結論を導き出しているので、ヒューリスティクス推理法と同じです。
しかし、経験の多さや自己分析によって、ヒューリスティクス推理法で導かれた結論を矛盾なく説明します。

説得の観点から、ヒューリスティクス推理法を採用している村人は、その村人の内的な要素をしっかり理解する必要があります。
アルゴリズム推理法または近似アルゴリズム推理法を採用している村人は、客観的事実や論理であれば受け入れて貰いやすいです。

ただし、本当にアルゴリズム推理法のみを採用している村人は極僅かで、論理的に見える人でも、前述した近似アルゴリズム推理法である場合が多いように感じます。それ故、なんらかの偏り(バイアス)を含んでいる村人が大多数だと思います。

認知の偏り(バイアス)

村人の判断と意思決定は、意識的な合理的選択理論とは異なった方法で行われている場合があります。無意識*1下で行われる自己認識できない判断ですね。その無意識に行われている認知の偏りについて説明します。

感情バイアス
心地よい感覚をもたらす肯定的な感情効果を信じたがり、好ましくない精神的苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れたがらない傾向です。広く知られた最も有名なバイアスなので、認知している村人の方が多く見られます。ただし、わざと感情バイアスを押さえない人も稀によくある*2
例:自分を黒と言ってくる人が黒く見え、白と言ってくる人が白く見える。
確証バイアス
一度推理の結論を出すと、その結論に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという傾向です。しかし、ある程度の経験のある村人は、確証バイアスを認知しているためあまり見られません。むしろよく反証する傾向にあるように見えます。
例:A狼だと決めつけてA村である反証を全くしない。
偽の合意効果
村人が自分の考え方を他の村人に投影する傾向です。つまり、村人は他の人々も自分と同じように考えていると思い込むことが多いです。
例:私が白目に見ているAは、皆も白目で見ているだろう。
希望的観測
証拠や合理性ではなく、「そうあって欲しい」とか「そうだったらいいな」という希望に影響されて判断を行うことです。好ましい結果が好ましくない結果よりもありそうだと予測することを指します。
埋没費用(コンコルド効果)
ある対象への精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態です。
例:この占い師を真決め打ったのだから、今更吊りたくない。
自我防衛機制*3
村人が受け入れがたい状況に晒された時に、精神を守ろうとする仕組みです。自己奉仕バイアス、セルフ・ハンディキャッピング、合理化、知性化等。ジョハリの窓*4でいう「盲点の窓(blind self)」が広い村人には強く見られるが、「解放の窓(open self)」が広い村人にはあまり見られません。おそらく、認知の差だと思われます。

余談ですが、お医者さんから患者さんへの一歩通行的に発展した分析心理学や精神分析学よりも、親と子の双方向の関わり合いを研究したゴードンの親業の方が、人狼ゲームの説得とは親和性が高いように思います。


*1 ここで使っている「無意識」は「意識でない領域」という意味です。ユングやフロイトが使っていた意味とは異なるような気がしますが、あまり気にしてはいけません。
*2 生き残りのみを考えるなら、殴られたら殴り返した方が効率がいいからね…。
*3 精神を守る仕組みなので、そこまで意識してこの機能を抑制する必要は無いのかな、などと考えています。推理者としてはあまり嬉しい機能ではありませんが。
*4 自分をどのように公開ないし隠蔽するかという、コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な進め方を考えるために提案された考え方。人狼ゲームにおけるブラフを考える上で必要な概念ですね。